日本都市学会第65回大会のお知らせ

 

1.   開催概要

開催日:20181019日(金)・20日(土)・21日(日)

開催地:福岡県福岡市

主 催:日本都市学会・九州都市学会 後援:福岡市、九州産業大学

会 場:九州産業大学

 

2.   大会テーマ 「成長する都市

 

3.   スケジュール

1019日(金)】

12:30〜 エクスカーション

テーマ:「天神再開発」

スケジュール:福岡市役所(集合)〜天神地区(徒歩)

FUKUOKA growth next(旧小学校校舎活用の創業支援施設)の見学

(一次解散)(以下希望者)(徒歩)〜福岡城趾〜鴻臚館跡〜(解散)

集合場所:1230分 福岡市役所1階ロビー

予定時間:2時間半程度(一次解散まで)

定員:30名。定員を超えた場合は申込順とします。

参加費:「FUKUOKA growth next」見学料(11,080) ※参加費は当日徴収します。

1800〜 理事会

  会場:久留米大学福岡サテライト

住所:〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神1-4-2 エルガーラオフィス6

 (TEL) 092-737-3111

1020日(土)】会場:九州産業大学(2号館および1号館)

900〜 研究発表T (2号館)

1300〜 シンポジウム  テーマ「成長する都市」(1号館)

1300 開会挨拶  堂前 亮平(日本都市学会会長)

 堤  昌文(九州都市学会会長)

(開催校) 榊  泰輔(九州産業大学学長)

1315 基調講演  貞刈 厚仁(福岡市副市長)

13501620 パネルディスカッション

趣旨説明 :堤  昌文(九州都市学会会長)

パネリスト:伊藤 幸司(九州大学大学院比較文化研究院)

馬奈木俊介(九州大学大学院工学研究院)

松本 義人(西日本鉄道)

浅見 良露(久留米大学経済学部)

コーディネーター:外井 哲志(九州大学大学院工学研究院)

1630〜 日本都市学会賞授賞式

1650〜 日本都市学会総会

1800〜 懇親会(会場:九州産業大学、食堂)

 

1021日(日)】会場:九州産業大学(2号館)

900〜 研究発表U

 

4.   研究発表の募集

(1)            申込資格

発発表申込者は会員(入会手続き中のものを含む)に限ります。共同発表の場合、共同発表者全員の氏名を明記するとともに、口頭発表者(1名のみ)に印(朱書き)をつけてください。口頭発表は一人一回限りとします。なお、発表申込後の共同発表者の変更は認められません。また、共同発表者の中に非会員が含まれていても構いませんが、『日本都市学会年報』に投稿される際には、著者全員が会員である必要があります。

(2)            申込方法

研究発表を申し込まれる方は、同封のハガキ、またはハガキと同じ内容を記した電子メールで、下記「大会に関する問い合わせ先」に申し込んで下さい。ハガキ内の「大会テーマ分科会」とは大会テーマに関連を持つ発表を集めた分科会、「自由テーマ分科会」とはそれ以外の分科会です。なお、申込が少ないなどの理由で大会テーマ分科会が成立しなかった場合は、大会テーマ分科会に申し込まれた方も自由テーマ分科会に割り振らせていただくことをご承知おきください。また、発表日については、分科会を構成する都合上、希望はお受けできませんのでご了承ください。

現時点で学会に入会手続き中のために申込用ハガキをお持ちでない方は、官製ハガキまたは電子メールで、下記「大会に関する問い合わせ先」まで申し込んでください。記載事項は、@申込者氏名・所属(院生・学生の場合はその旨を明記)、共同発表者及び口頭発表者氏名、A研究発表の題目(「大会テーマ分科会」での報告を希望する場合は明記)、B自宅住所・電話番号・FAX番号、C所属先住所・電話番号・FAX番号、D連絡先電子メールアドレスとします。

いずれも83日(金)必着とします。

(3)            発表要旨の執筆要領

@   A4(縦)サイズ、横書きで2枚以内。

A   余白は上下25mm、左右19-20mmとし、文字数は横23×45字、2段組、段間9-10mm2,070/頁。文字は10ポイント、明朝体。見出しはゴチック。

B   1頁目の上部7行分は1段組とし、タイトル、所属、氏名に使用。2行目にタイトル(14ポイント、ゴチック、中央揃え)、6行目に所属・氏名(10ポイント、ゴチック、右揃え)、本文は8行目から2段組で。年報掲載論文と同じスタイルです。

C   そのまま印刷原稿としますので、図表は見やすく貼り付けてください。図のタイトルは図の下部に、表のタイトルは表の上部に、それぞれゴチック、中央揃え、モノクロ印刷で。

D   要旨の提出期限は831日(木)必着で、送り先は下記の「発表要旨送付先」まで。なお、提出はメール添付によるデータファイルのみ受け付けます。ファイル形式は、PDF形式にくわえて、万が一修正が必要になった場合に備えてMicrosoft Word形式のファイルを提出して下さい(どうしても紙媒体での提出が必要な場合はご相談下さい)。問い合わせがある場合は下記の「大会に関する問い合わせ先」までお願いします。

E   テンプレートを日本都市学会HPに掲載する予定です。ご利用下さい。

(4)            メール送信後の受信確認

電子メールで研究発表の申込や発表要旨の提出をした場合、担当者から受信確認のメールを送りますので、必ずご確認ください。3日以上経っても受信確認メールが届かない場合は、送信先にお問い合わせください。

 

5.   出欠確認葉書

研究発表をしない方も、同封のハガキに出席の可否(予定)を記載して返送してください。ハガキと同じ内容をメールで下記「大会に関する問い合わせ先」までお送りいただいても結構です。ただし、メールでお送りいただく際は必ずメールタイトルを「日本都市学会福岡大会出欠連絡」として下さい。

 

6.   発表要旨送付先

kyushu.toshigaku@gmail.com(担当者:久留米大学 畠中昌教)

※ 件名を「福岡大会要旨(氏名)」として下さい。

 

7.   大会に関する問い合わせ先

839-8502 福岡県久留米市御井町1635 久留米大学経済学部 畠中研究室気付

九州都市学会事務局

TEL(代表)0942-43-4411(畠中研究室)  メール:kyushu.toshigaku@gmail.com

問い合わせは出来るだけメールでお願いいたします。

 

8.   宿泊案内

宿泊施設については福岡市内は逼迫しておりますので、各自で早めに予約をお願いします。(なお、会場周辺には宿泊施設がありません。博多駅地区、天神地区の宿泊施設が便利です。)

 

9.   会場までのアクセス

(1)            最寄駅までのアクセス

大会会場の最寄駅はJR九州鹿児島本線「九産大前駅」になります。最寄駅までのアクセスは、以下の経路を参考にしてください。

電車

ž  博多駅―(鹿児島本線上り各駅停車、約15分)―九産大前駅下車、徒歩10

西鉄バス(都市高速経由)

ž  天神日銀前バス停(19Aのりば)―(急行、約15分)―九州産業大学南口下車、徒歩5

ž  天神中央郵便局前バス停(18Aのりば)―(21A26A、約15分)―九州産業大学前下車、徒歩5

飛行機

ž  福岡空港―(福岡市営地下鉄空港線)―博多駅―(鹿児島本線上り)―九産大前駅

タクシ−利用の場合

・福岡空港から 都市高速経由で約20

・天神、博多駅から 都市高速経由で約15

*詳しくは、九州産業大学のホームページをご参照ください・

※上記は予定です。正確な運行情報は9月発送予定のプログラムに掲載します。


日本都市学会2018年度福岡大会開催趣旨文

 

成長する都市

 

                                                   日本都市学会会長  堂前亮平

                                                   九州都市学会会長  堤 昌文

 

 我が国の経済社会の情勢をみると平成18年に九州で開催された日本都市学会の全国大会当時は、一般に言われている「失われた20年」の期間中であり、経済が低迷し地方都市が疲弊した厳しい状況であった。現在は、新しい金融、経済政策の基でGDPの成長率も直近の昨年は実質で1.2%台を維持しており、概観すると世界経済と伴に我が国の経済情勢も緩い景気回復基調を示しつつある。

他方、我が国の人口の動向を見ると平成20年の128百万人をピークに減少傾向に転じているが、平成27年の国勢調査によると各都市人口のベスト10の中で人口の増加率1.0%以上は、福岡市1.55%を含め3市で、他は横這いか減少傾向を呈している。特に、地方都市は、生産年齢人口の中核都市圏以上への流出や出生力の低下等で人口減少が加速し、厳しい状況に至っている。

従来の都市成長は、人口と経済規模が主指標と見做なされてきたが、今日の「豊かな社会」を求める時代において都市の成長を論じる場合は、都市が魅力を持ち、どう高めるかが基本要因となる。そのことは、それ自身が競争力を生み、発展する原動力になると共にサスティナブルな都市へ繋がっていくからである。都市の魅力としては、ビジネス、消費、生産、流通、情報、娯楽、学術文化、芸術文化、生活の楽しさ、ゆとり、憩い、アメニティの向上、自然環境の美しさ等の存在が成長の大きな要素として挙げられ、それをどう都市政策で活かして行くかが重要なポイントになる。 

上述の点を考慮しつつ地方都市が魅力づけに独自性を示しているものを概観してみると、上流下流域や里山再生および農山漁村等との交流促進の活発化、IoTを活かした都市づくり、戦略的な観光ルネッサンス、国際化、都市環境の整備、安全安心のための防災、SNSを活用した文化づくり、地場産業のイノベーション・活性化、プレミアム・パスポート事業での少子化対策、歴史再生の町、地場産品のブランドづくり、文化芸術の振興、実践的観光としてのエコやアーバン等の各種ツーリズム等に示されているように各都市の個性を活かし、地方創生、すなわち魅力づけに向け様々な取り組をみることができる。

以上のように各都市は、活性化の側面とともにそれぞれの規模の中で「豊かな社会」、「住み良い都市(まち)」を求めている。これに関連し、ビジネス環境、都市機能、治安、教育環境、自然の周辺環境等の各指標を尺度として適用し、総合的に求めた世界的な住み良さランキングが「MONOCLE」から公表されている。これをみると、ベスト1位に東京、ベルリン、ウィーン、コペンハーゲン、ミュンヘンの順となっており、ちなみに、我が国ではベスト10内の7位に福岡市と9位に京都市がみられる。

これら上位の都市から「豊かさ、住み良さ」には都市活力度の生活環境基盤、産業基盤、財政基盤、文化芸術基盤、教育基盤等の影響の強さが挙げられるが、そればかりでなく、その都市が歩んできた事象的な履歴が今日の都市形成に関わっており、それらが素地となり成長性に大きく寄与していることが推察される。

今回の開催都市である福岡市に焦点を当てると、ヒストリカルな面でアジアとの交流の軌跡は、弥生時代の金印でみる後漢、律令国家時代の迎賓館跡の鴻臚館、平安末期の宋と平清盛の袖の湊、中世博多の豪商と南宋との交易および日本で初めての自由都市としての存在等が挙げられる。そのように本市は地理的特性を最大限に活かし、貿易を背景に商業力の強さおよび先端技術、先進文化を吸収し、海外との交流を盛んに行ってきた経緯があり、そこに国際交流の文化が根づいてきたと言える。他方、国際交流を活発に行ってきたことは多様性を受け入れる基盤を培い、発展の誘因ともなったと推察する。また、都市学的な観点では政治、経済、流通等の拠点都市として、その機能が蓄積されてきた。例えば、秀吉は博多の町割りを行い、それが今日のコミュニティ形成に活かされ、それを基盤にする博多祇園山笠は「祭り文化」の象徴である観光への貢献をみせており、ユネスコ無形文化遺産の一つとなっている。近現代では1919年に定期旅客航空便開設、1936年に日本初の国際空港の開港等で再びゲートウェイへの道を歩み始める。近年は1975年に高速交通ネットワークの山陽新幹線博多開業、1989年に市制100年を記念してアジア太平洋博覧会が開催され、それを契機にウォータフロント開発ではシーサイドももち地区の整備、そこでの福岡市博物館等の文化施設の立地、中央部は博多湾のベイサイドプレイス博多、東側については2009年に香椎浜にアイランドシティが建設されていく。さらに、2011年に福岡市の玄関口の博多駅にJR博多シティ、九州新幹線等が整備され、これら交通基盤整備により国内外との交流が促進され都市成長の牽引力になっていったとみることができる。

上述から言えることは交通基盤、文化的基盤、住み良い空間、産業流通、アメニティ等が成長する都市の要因であり、都市規模に関係なく都市の魅力づくりこそが如何に重要かが読みとれる。

以上の特徴を考慮しつつ今大会の統一テーマ「成長する都市」について、全国から多くの研究者の参加を得て、創見に富んだ発表と活発な議論を通して、地方都市でも都市規模に関わらず色々な側面から論ずることができることを期待するものである。